2021年5月20日木曜日

母音調和:Vokaaliharmonia

 Moikka!


前回はフィンランド語のアルファベット:Aakkoset(あーっこせっと)について書きました。

その中でフィンランド語の母音:Vokaali(ヴぉかーり)については次のように説明しましたね。

1:a・e・i・o・y・ä・öの7つあること。

2:a/ä、o/ö、u/yは対のような存在となっていて、発音が異なること


フィンランド語では母音はグループ分けがされていて、1つの単語には同じグループの母音が使われるというルールがあります。

このルールの名前が今回のタイトル「母音調和:Vokaaliharmonia(ヴぉかーりはるもにあ)」です。

フィンランド語には多くの格があり、単語の語尾の形が変わることで表現の変化をつける言語ですので、格変化にもこの母音調和のルールが適用されます。


もうお気づきかもしれませんが、グループは a・o・u、ä・ö・y、e・i の3つで、母音調和は次のようなルールとなっています。

1:a、o、uが入った単語の中には、ä、ö、yは存在しない(逆も然り)

 =格変化も同じ仲間の母音を使用します

2:eとiは、aグループ(a・o・u)、äグループ(ä・ö・y)どちらにも存在する

 でも、単語の母音がe・iのみの場合、格変化で使うのはä・ö・yのみ

 *個人的な経験ですと、eはäグループ寄り・iはaグループと仲良しのイメージがあります。


具体的に上記の1、2について説明していきますね。

・1のルールから、存在しない単語(格変化なし)

 例として4つ考えてみました。何が間違っているか、ぜひ考えてみてください。

 osöite äsunto aämu yrittaa


 →正しくは… osoite asunto aamu yrittää です。

  発音と主な意味は次の通りです。

  osoite(おそいて:住所) asunto(あすんと:住居)

  aamu(あーむ:朝)   yrittää(ぅゆりったー:試みる)


1のルールから、格変化の言葉の選びかた

 格変化もいろいろありますが、ここではinessiivi(いねっしーヴぃ)を使ってみましょう。

 Inessiiviは「~(の中)で」を指す格で、単語のカラダ:vartalo(ヴぁるたろ)に -ssa/ssä をつけます。

 ※格やvartaloについては、また別の機会に改めて説明したいと思います。

 

 次の4つの単語を例にしてましょう。

 kahvila kirjasto öljy bändi :これら4つはvartaloは単語基本形と同じ形の単語です。

 これらの語尾にそのまま格をつけるならば、-ssa/ssäのどちらが選ばれるでしょうか。


 →答えは… kahvilassa kirjastossa öljyssä bändissäです。

  基本形の発音と主な意味は次の通りです。-ssa/ssäは(-っさ)と読みます。

  kahvila(かはヴぃら:カフェ)→ kahvilassa(かはヴぃらっさ:カフェ(の中)で)

  kirjasto(きるやすと:図書館) öljy(ぅおりゆ:油) bändi(ばんでぃ:(音楽の)バンド)


・2のルール:どんな言葉があるか

 e、iについてはいくつか単語+inessiivi(ine.)の例を挙げてみようと思います。

 ※e、iの入った単語の母音調和ルールを100%理解している自信がなく…すみません。

 ・aグループ+e の単語:(基本形) teho:効果 → (ine.) tehossa

 ・äグループ+e の単語:(基本形) kesä:夏 → (ine.) kesässä

 ・aグループ+i の単語:(基本形) liha:肉 → (ine.) lihassa

 ・äグループ+i の単語:(基本形) äiti:母 → (ine.) äidissä

 ・e、iだけの単語:(基本形) meri:海 → (ine.) meressä


最後に、複合語にも少しふれましょう。

複合語:yhdyssana(ゆふでゅすさな)とは、2つの単語がくっついて新しい単語になったもので、フィンランド語にもとても多く存在します。

例えば、ravintola:レストラン + vaunu:車両 = ravintolavaunu:食堂車 などですね。


これまで母音調和についていろいろと書いてきましたが、複合語になると1つの単語なのにaグループ、äグループの両方が存在する…という現象が起きます。

例えば、suklaa:チョコレート + jäätelö:アイスクリーム=suklaajäätelö:チョコレートアイスクリーム などですね。

この複合語の母音調和は、後の言葉に合わせていくルールとなります。

(基本形) suklaajäätelö → (ine.) suklaajäätelössä


ルールばかりですが、発音と同じように少しずつ慣れていくと、自然と身につくようになっていきますので気負わずに頑張っていきましょう!

 

次回は、人称代名詞と人称語尾について紹介しようと思います。

では、Nähdään!

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