2022年5月15日日曜日

目的語3:Objekti 3

Hei!

その中で、前回に以下の①から順に見ていけば、ある程度適切な目的語の形が選べるはずです(例外を除く)としました。

 ①動詞が特定のもの、特定の文法の形であるか

 ②文章が肯定文・否定文のどちらであるか

 ③目的語に対する行動は終わっているか、もしくは行動は目的語全体・特定の目的語に対してのものか

 ④目的語が可算名詞・不可算名詞のどちらであるか

 ⑤肯定文の場合、目的語に数をあらわすような表現をつけるか

 ⑥目的語は人であるか

これまで、①~④について書きましたので、今回は最後の⑤・⑥へ進めたいと思います。


⑤肯定文の場合、目的語に数をあらわすような表現をつけるか

数字・数をあらわす表現が目的語に付く場合は、その数が「1」である場合を除いて、目的語はPartitiiviobjektiの形をとります。

1を除く数+数を表す表現=Partitiiviobjekti のほうがわかりやすいでしょうか。

数を表す表現としては、以下のものがあげられます。こう見ると、kuppiやpalaのように、数だけでなく量(物の量のイメージ)を表す言葉も含まれていることがわかりますね。

・数を表す表現=nolla(0)、monta(多くの)、paljon(多くの、いろいろな)、vähän(少し)、pari(ペア、1対)、puoli(半分)、kuppi(カップ)、lasi(グラス)、kilo(kg)、pala(枚)、joukko(群れ)、…

余談ですが、monta・paljonを両方とも「多いこと」を示す言葉として挙げていますが、この2つはmonta=many/paljon= a lot ofと意味が異なります。

montaは可算名詞のみを修飾し、その名詞は単数partitiiviの形をとります。一方で、paljonを可算名詞につける際は、その名詞は複数partitiiviの形をとります。

可算名詞の例として、人=ihminenを使って、monta/paljonの違いを見てみましょう。

・monta ihmistä=monta + ihminenの単数partitiivi=ihmistä 多くの人

・paljon ihmisiä=paljon + ihminenの複数partitiivi=ihmisiä いっぱいの人

paljon+可算名詞は複数partitiiviとしましたが、paljon+不可算名詞の場合はどうでしょうか?この場合は、単数/複数partitiiviによって表現する意味が異なります。

不可算名詞の例として、チョコレート=suklaaを使って、単数/複数partitiiviの意味の違いを見てみましょう。目的語の④で説明した内容とほぼ同じ「いろいろな」のニュアンスの違いです。

・paljon suklaata=paljon + suklaaの単数partitiivi:(1種類の)チョコレートがいっぱい

・paljon suklaita=paljon + suklaaの複数partitiivi:(いろいろな種類の)チョコレートがいっぱい

ちなみに、vähänもpaljonと同じルールで使います。


若干内容がずれてしまいましたが…1を除く数字+数を表す表現=Partitiiviobjektiに戻ります。

まず例外の1の場合は、目的語はAkkusatiiviobjektiとしてn-objektiの形をとります。1の場合は、指すものが単一である=特定の目的語を指すイメージに近いのかもしれませんね。

それ以外の数字の際は、すべてPartitiiviobjektiをとります。先ほどのpaljonの場合は、複数partitiiviを取る場合があると書きましたが、数字の際は複数partitiiviを使うパターンを見たことはありません。数字をつけることで具体的な量が規定されることから「いろいろな種類」のニュアンスを含むことはないのかな?と感じています。

例を挙げて次に進みましょう。

・可算名詞=私は赤い車を見かける:Minä näen "punainen mansikka(nominatiivi)".の場合

 1台の赤い車:Minä näen punaisen auton. (単数n-objekti)

 2台の赤い車:Minä näen kaksi punaista autoa. (単数partitiivi)

 赤い車を多く:Minä näen monta punaista autoa. (単数partitiivi)

 赤い車をいっぱい:Minä näen paljon punaisia autoja. (複数partitiivi)

 赤い車を少し:Minä näen vähän punaisia autoja. (複数partitiivi)

・不可算名詞=私は赤いいちごを食べる:Minä syön "punainen mansikka(nominatiivi)".の場合

 1粒の赤いいちご:Minä syön punaisen mansikan. (単数n-objekti)

 2粒の赤いいちご:Minä syön kaksi punaista mansikkaa. (単数partitiivi)

 多くの赤いいちご:Minä syön monta punaista mansikkaa. (単数partitiivi)

 赤いいちご(1種類)をいっぱい:Minä syön paljon punaista mansikkaa. (単数partitiivi)

 赤いいちごを色々いっぱい:Minä syön paljon punaisia mansikoita. (単数partitiivi)

 赤いいちごを少し:Minä syön vähän punaista mansikkaa. (単数partitiivi)


⑥目的語は人であるか

目的語が人であって、Persoonapronomini(人称代名詞)を使う場合はそのPersoonapronominiはAkkusatiiviobjektiとなります。

この時しか使わない例外ではありますが、覚えましょう。

 Minä → Minut  Sinä → Sinut  Hän → Hänet

 Me → Meidät  Te → Teidät   He → Heidät

一方で、今回分類した目的語①~⑥においては、①→⑥の順で目的語の格を決める力が強いでため、①のPartitiivi verbiなど目的語に特定の形をとるを使う場合はPersoonapronominiであっても動詞のルールに従います。

こちらも、目的語を「あなた」として例を挙げてみましょう。

・彼はあなたを愛している…愛する=rakastaaはPartitiivi verbiです。

  Hän rakastaa sinua. :動詞のルールに合わせて、sinä→sinua

・彼はあなたが好きです:好き=pitääは目的語にmista/mistäの形をとります。

  Hän pitää sinusta.:動詞のルールに合わせて、sinä→sinusta

・彼はあなたを知っている:知っている=tunteaは特定の形の目的語を取りません。

  Hän tuntee sinut. :目的語の格の決まりがないので、sinä→sinut


ざっくりとした説明ではありましたが…これで目的語はだいたいフォローできたのではないかと思います。

ここまでで、「誰が何をどうするか」の文章が書けるようになりますね!

次は「どこで」の表現:paikallissijatについて書きましょうか…。

目的語という大き目のテーマが終わって、何を書いていくか若干迷走していきそうですが、「文章を作っていくこと」をイメージに進めていきたいと思います。Paikallissijatが終わったら、文章の種類について説明があるといいかな…と漠然と考えています。

文章の種類もなかなか重たいテーマですね。ぼちぼちではありますがお付き合いくださいませ。

それでは、Nähdään!

2022年5月8日日曜日

目的語2:Objekti 2

Moikka!

年末年始から例に漏れず、ばたばたとしてもう春、いや初夏…と思っていたのですが前回の投稿が9月だったのですね。なんだかいろいろしていたうちに、あっという間に時間がたっていたようです(言い訳です)

かなりの時間があいてしまいましたが、目的語の続きです。

まず、前回の投稿のうち、文法の説明に関する箇所を一部修正しました。理由としては目的語について改めて考えていた時に、Genetiiviは厳密には目的語の格の表現として適しておらず、Akkusatiiviのn-objektiとして書くことが好ましいと個人的に思ったためです。

文法の本によっては、Genetiivi-objektiと書かれているものもあるので(私の主テキストであるSuomen mestariが正にそう…)、何が正解かはわからないのですがGenetiiviは「〇〇の」という表現を表す格である→それを目的語として書くのは不思議だな?という考えです。

また、分類の順番も入れ替えました。可算名詞・不可算名詞と、行動の完結度合いで考えると行動の完結度合いのほうが、目的語の格を決めるにあたっては優位な条件であると考えたためです。

※重ね重ねではありますが本ブログの内容は、あくまでも私個人の解釈・考えです。文法について詳しく学んでいるわけではないので、認識の誤りがあればぜひご教示いただけますと幸いです。

上記の考えの上では目的語はPartitiiviobjekti/ Akkusatiiviobjektiという大きな区分けができ、形の構成としては以下のように分類できると考えています。

Partitiiviobjekti=Partiitiiviの形をしている(単数、複数あり)

Akkusatiiviobjekti=Nominatiivi(単数、複数)、n-objekti(Genetiiviと同じ形・単数のみ)、Akkusatiivi独自(代名詞を指すとき)の形をしている。いずれの形をとるかは文章のつくり・意味合いによって異なる

その中で、前回に以下の①から順に見ていけば、ある程度適切な目的語の形が選べるはずです(例外を除く)としました。※順番を見直して入れ替えています。

 ①動詞が特定のもの、特定の文法の形であるか

 ②文章が肯定文・否定文のどちらであるか

 ③目的語に対する行動は終わっているか、もしくは行動は目的語全体・特定の目的語に対してのものか

 ④目的語が可算名詞・不可算名詞のどちらであるか

 ⑤肯定文の場合、目的語に数をあらわすような表現をつけるか

 ⑥目的語は人であるか

前回は①・②について書きましたので、今回は③・④について進めたいと思います。


③目的語に対する行動は終わっているか、もしくは行動は目的語全体・特定の目的語に対してのものか

まず、結論から書きます。

・目的語に対する行動が終わっている(完結している)、目的語はその物のもの全体を指す、特定の目的語を指す場合:目的語はAkkusatiiviobjekti

・目的語に対しての行動は途中/過程を指す、目的語の一部分を指す、目的語が何を指すか曖昧な場合:目的語はPartitiiviobjekti

ここは例を見ながらのほうがわかりやすい?かと思いますので、例に進めましょう。

 1) 目的語に対する行動の状態:行動が完結しているか、途中/過程であるか

 「私は本を読む」という文章に対して、目的語の形でニュアンスが変わってきます。

 Minä luen kirjan. :私は(その)本を(すべて)読む。

 Minä luin kirjat. :私は(それらの)本を(すべて)読む。

 Minä luen kirjaa. :私は本を読んでいる。

 Minä luen kirjoja. :私は(何冊かの)本を読んでいる。

 前者2つ:Akkusatiiviobjektiでは、(一定の)本をすべて読むとの意思を含む文章になりますが、後者2つ:Partitiiviobjektiでは、どんな本をどの程度読むかは関係なく、動作の途中を示す意味になっています。現在進行形の今何をしている、と目的語が暗に明確にされている状況では、複数のPartitiiviobjektiを使うのはほとんどない(文法的にも不思議な感じ?)ように思います複数のPartitiiviobjektiだと、同時にいろいろな本を読んでいる=Aの本を1ページ読んだら、Bの本を1ページ読んで…がたくさんという場面を想像してしまうので、なかなかレアケースなようにも感じますね。

 過去形「私は本を読んだ」でも同じですね。こちらのほうが完了/途中の違いがわかりやすいかもしれません。

 Minä luin kirjan. :私は(その)本を(すべて)読み終わった。

 Minä luin kirjat. :私は(それらの複数の)本を(すべて)読み終わった。

 Minä luin kirjaa. :私は本を読んだ。

 Minä luin kirjoja. :私は(何冊かの)本を読んだ。

 前者2つ:Akkusatiiviobjektiでは、読み終わった=動作が完了した文章になりますが、後者2つ:Partitiiviobjektiでは、本の一部分を読んだ=本を読む動作の途中を示す意味になっています。複数のPartitiiviobjektiでは、同時に読みかけの本がいっぱいあるような感じでしょうか…文法的には使えるのかもしれないと思うのですが、使う場面があんまりピンとこないですね(でも現在形よりはまだシーンとしてありそう…?)

 2) 目的語を指す範囲:物の全体か、部分か

 「あなたはパンを買う」という文で考えてみましょう。

 Sinä ostat leivän.:あなたは(その)パンを(塊で・すべて)買う。

 Sinä ostat leivät.:あなたは(それらの)のパンをいくつか(塊で)買う。

 Sinä ostat leipää.:あなたはパンを買う。

 Sinä ostat leipiä.:あなたは(いろいろな種類の)パンをいくつか買う。

 前者2つ:Akkusatiiviobjektiでは、パンの塊全体を買うという全体を指すニュアンスを含む一方で、後者2つ:Partitiiviobjektiでは、パンをどれだけ買うかという量的なニュアンスは曖昧になりますので、塊をスライスしたものや、一部を買うときはこちらが当てはまると思います=より一般的な「パンを買う」という行為の表現に近いですねまた、複数のPartitiiviobjektiになると、いろいろな種類という意味を含むこともできますので、パン屋さんでいろいろなパンを買うときはこの表現が自然なように思います。

複数Nominatiiviには「いろいろな種類の」のニュアンスを含まない、先の3)の内容になりますが、より特定の物を指す表現もあります。なので、上記のSinä ostat leivät.では、いくつか買った塊のパンが同じ種類か・違う種類かはこの文章のみからは明確に判断できないと思います。文法的に考えると、いろいろなというイメージよりも、さらに狭い表現を指すという意味を感じ取れることもできますし、パン屋さんではだいたい違う種類のパンを買うことが一般的に多いかなと感じる点からも、Sinä ostat leipiä.」がより自然な表現なように個人的には思います。同じ複数であっても、ある程度の特定感を出してくるNominatiiviと、たくさんの、いくつかの、いろいろなといった量・目的語の定義としても曖昧さを持つPartitiiviとの違いが面白いですね。

 ④の内容の先取りになってしまいますが、パン=不可算名詞は上記の表現ができましたが、可算名詞ではどうなるでしょうか?

 「あなたは車を買う」という文章で考えてみましょう。

 Sinä ostat auton.:あなたは(その)車を買う。

 Sinä ostat autot.:あなたは(それらの)車を何台か(複数台)買う。

 車は部分的に買うこと(物理的に半分だけ買って手に入れるといった行為)ができないので、Partitiiviobjektiを使うことはできませんね。

 では、「あなたは数学を勉強する」という文章では目的語はどうなるでしょうか?

 Sinä opiskelet matematiikkaa.:あなたは数学を勉強する。

 数学:matematiikkaは不可算名詞であり、Akkusatiiviobjektiを使うことはありません。また学問を指すので複数も存在しないですね。

ここのポイントとしては、Sinä opiskelet matematiikan.とAkkusatiiviobjektiを使った文章も作ることはできるのですが、この文章の意味は「あなたは数学のすべてを勉強する(勉強しつくしてすべて知る状態を指す)」となるため、現実的にほぼありえない=表現として使うことがない、という意味で、使うことはない、という説明としました。

 3) 目的語について:特定のものを指すか、指さないか

 これまでの文章で、Akkusatiiviobjektiを使った文章の日本語に(その)(それらの)というカッコ書きを入れている理由がここにつながってきます。

 Sinä ostat auton.については、特定のもの(前述しているもの)を指すこともできますし、指さない意味を持つこともできます。この「Sinä ostat auton.」という文章だけではどちらの意味かわかりませんが、特定のものを指す例として以下のような文章が考えられるかと思います。

 Minä myyn minun vanha auto. Sinä voit ostaa auton.:私は私の古い車を売る。あなたはその車(=私の古い車)を買うことができる。(文章としては、Sinä voit ostaa sen.のほうが自然のように感じますが…)

 では、「私は女の子に会う」という文章で考えてみましょう。

 Minä tapaan tyttö.:私はその女の子(一人)と会う。

 Minä tapaan tytöt.:私はその女の子達と会う。

 Minä tapaan tyttöä.:私は女の子と会う/会っている。

 Minä tapaan tyttöjä.:私は女の子達と会う。

 前者2つ:Akkusatiiviobjektiの文章は、誰・どのような・何人かといった特定の女の子を示す文章が先にある場合、会うのはその女の子(達)とですよ、と明確に示すことができます。もし文章がない場合も、目的語が人なので、ある程度の誰か(=知っている人)かな?会う人数もだいたいイメージが付くかな?という雰囲気も感じますね。一方で、後者2つ:Partitiiviobjektiでは、女の子が誰か・どのような・何人かといったことはここでは関係がなく、漠然とした「女の子(達)」という表現になります。未来に出会う人(現時点でだれか・何人かわからないけど、これから会う人(達))を指す場合はこちらを使いますね。でも「Minä tapaan tyttöä.」は1人をぼんやりと指す文章になるので、不思議な感じがします。知らない女の子と今会っている・今から会うというイメージでしょうか…?


④目的語が可算名詞・不可算名詞のどちらであるか

まず、可算名詞・不可算名詞とは?というところからですね。似た内容を指すフィンランド語は、Jaollisuus(可分性) ⇔ Jaottomuus(不可分性)でしょうか。

言葉の分類としては日本語の指すものと同じですが、数えられるかどうかではなく分割できるかどうかという視点のため、考え方が少し異なるように感じています。

可算名詞=Jaottomuus(可分性)を有する言葉

 → 分割すると、その本質が変わるもの。家、車、椅子、目、人など塊で意味を成す具体的な名詞が多いですね。

不可算名詞=Jaollisuus(不可分性)を有する言葉

 → 分割しても、その本質が変わらないもの。Suomen mestariではAinesanaとも説明されていました。食べ物(お米、サラダなど)、飲み物(水、コーヒーなど)、素材、抽象的な言葉(愛情、美しさ、信仰、希望、学問などの概念的な言葉と考えています。)が含まれます。

これらの名詞が目的語となる場合、一般的に可算名詞=Akkusatiiviobjekti、不可算名詞=Partitiiviobjektiとして扱います。

④のように特定のものを指す(具体化できる)ようなニュアンスができるか、規模や量のイメージが曖昧で特定できないかというニュアンスで考えるとわかりやすいかもしれません。

例としては、以下の通りです。

・可算名詞:本(Kirja)の場合

 Tämä on minun kirja.  これは私の本です。

 Nämä ovat minun kirjat.  これらは私の本(複数)です。

 Tämä on mielenkiintoinen kirja. これは興味深い本(面白い本)です。

 Nämä ovat mielenkiintoiset kirjat. これらは興味深い本(面白い本)(複数)です。

は興味深い本(面白い本)です。

 Minä ostan kirjan kirjakaupassa. 私は書店で(その)本を買います。

 Minä ostan kirjat kirjakaupassa. 私は書店で(それらの)本を買います。

 → 5・6番目は本全体を買うという完結した行動に対する目的語のため、単数がn-objektiの形となっていますが、すべてAkkusatiiviobjektiです。また、興味深い本の「興味深い(面白い)」の形容詞:mielenkiintoinenは修飾する形容詞の形:Akkusatiiviobjektiのnominatiiviに合わせて、nominatiiviとなっています。

でも、本も③の例のように「途中まで読む」を指す場合はkirjaaになっちゃうのですよね。ややこしい…ので、目的語を使う文章がどのようなものであるかも注意する必要があります。

・不可算名詞:コーヒー(Kahvi)の場合

 Tämä on minun kahvia. これは私のコーヒーです。

 Tämä on kuumaa kahvia. これは熱いコーヒーです。※ちょっと変な文章ですが。

 Minä juon kahvia joka aamu. 私は毎朝コーヒーを飲みます。

 → 全てPartitiiviobjektiとなっています。また熱いコーヒーの「熱い」という形容詞は、修飾する目的語に合わせて、kuuma→kuumaaとpartitiiviの形に変わっている点もポイントです。なお、1つ目の文章の「minun」は「私の」という所属を指す=Genetiiviであることは可算名詞・不可算名詞いずれであっても同じです。コーヒーだと対照的な複数の文章が作れず説明できない部分があるので、いちご:mansikkaを使って補足します。

 Tämä on kotimaista mansikkaa. これは国産のいちごです。

 Nämä ovat kotimaisia mansikoita. これは国産のいちごです。

 Minä syön mansikkaa tänään. 私は今日いちごを食べます

 Minä syön mansikoita tänään. 私は今日いちごを食べます

 → こちらも全てPartitiiviobjektiとなっています。国産の:kotimainenという形容詞も、修飾するいちごの形によって、単数・複数のpartitiiviに変わっています。

単数・複数も訳の言葉としては同じになるのですが、ニュアンスが大きく異なってきます。単数の場合はいちごは1種類であって、そこにある・今日食べるのは「あまおう」というイメージですね。あまおうがいくつあるか・いくつ食べるかについてはここでは書いていないので、よくわかりません。もし、1袋分のいちごを食べたという場合は、量が定義されますので「Minä syön pussin mansikkaa tänään.」と1袋の量を指す袋:pussiがGenetiiviの形となりますが、いちごはPartitiiviのままです。

一方で、複数の場合は、いくつか・種類がいくらかあるというニュアンスを含んできます。そこにある・今日食べるのは「あまおう」だったり「とよのか」や「ももいちご」であったりするわけですね。でも何種類あるのか、いくつあるのかということはよくわかりません。先ほどのleipäの文章と同じですね。

また「Minä syön mansikoita.」という文章は、私はいちごをよく食べます、という習慣を指す文章として使うこともできます。よくする、という習慣のニュアンスを持たせることができるのは複数のpartitiiviの特徴の一つかと思います。

整理しますと、可算名詞は文章の意味によってはPartitiiviobjektiで書くこともあります(書かないものもあります)が、不可算名詞はAkkusatiiviobjektiで書くことはない、ということですね。


このように思い返しながら書いてみますと、目的語はやはり複雑ですね…今回の内容は書きながら混乱してくる箇所が多くので、非常に時間がかかってしまいました。網羅しきれていない・知らない・誤って認識していることもあるんだろうなと思いますので正直あまり自信がないです…のでもしお気づきのところがありましたら教えていただけると嬉しいです!

さて、次回は目的語の残り2つの説明です。

再来週からHAYにて新しい授業が始まるので、それまでに書きたいな、と思いますが…

Nähdään!

2021年9月27日月曜日

目的語1:Objekti1

Moi!

Anteeksi、また久しぶりの更新になってしまいました。

言い訳ですが、前回のオンライン授業でありがたくも次のコースに進んでよい評価をいただけたので、最後になるだろう授業に参加しています。今月から授業は始まっているのですが、準備をしつつバタバタしていました。


さて、これまで、人称代名詞・動詞について書いてきましたので、次は目的語について書いてみたいと思います。目的語が作れるようになると、文章の形がつくれるようになってきますね。目的語の次に、位置の表現、修飾語…と進めていけたらと思っています。

目的語…私にとっては非常にややこしくて頭を悩ませるもの・間違いが多いもののひとつです。今回ブログに書いてみるにあたって、改めて全体を見直してみましたが、誤りがあったときはご容赦いただくとともに、お知らせいただけると嬉しいです。

※内容を見返して気になった箇所があったため、2022年1月1日に文法の説明を修正・1月10日に分類の順番を入れ替えました※

では、Aloitetaan!(始めましょう!)


・フィンランド語でも目的語=動詞の目的となる言葉です。

 次の文章でまず見てみましょう。

 Minä ostan kirjan.(=Ostan kirjan.) 私は(その)本を買います。

  →Minä:主語(=私、なお動作をする人をtekijäと表現している教科書も多いです)

   +ostan:動詞(ostaa:買う、の「Minä:私」の形ですね)

   +kirjan:目的語(kirja:本のAkkusatiiviのうち、n-objekti:Genetiiviと同じ見た目の目的語です)

  私が買うもの=本ということで、「買う」という動詞にかかる言葉=目的語=kirjanとなっています。なお、日本語訳で(その)が付いている理由については以下の⑤で後述します。


・目的語は、見た目としては主に「Partitiivi、Nominatiivi、Genetiivi、Akkusatiiviの独自の形」の4種類です。目的語の格としては「Partitiivi、Akkusatiivi」ですね。Akkusatiiviは状況によって、Nominatiivi、n-objekti(Genetiiviと同じ見た目)、Akkusatiiviの独自の形のいずれかに分類されます。

・上の例ではAkkusatiiviのうち、n-objekti(Genetiiviと同じ見た目)でしたね。これをどう使い分けるかが大きなポイントかと思っており、判別する際のポイントを以下にざっくりと挙げてみます。

 目的語の形を決める際に、①から順に見ていけば、ある程度適切な形が選べるはずです(例外もあります)。※順番を見直して入れ替えています。

 ①動詞が特定のもの、特定の文法の形であるか

 ②文章が肯定文・否定文のどちらであるか

 ③目的語に対する行動は終わっているか、もしくは行動は目的語全体・特定の目的語に対してのものか

 ④目的語が可算名詞・不可算名詞のどちらであるか

 ⑤肯定文の場合、目的語に数をあらわすような表現をつけるか

 ⑥目的語は人であるか


 挙げてみると思ったより長くなりそうなので、今回は上記の①・②まで書いてみることにします。


①動詞が特定のもの、特定の文法の形であるか

・動詞には、セットとなる目的語の格がすでに決まっているものが複数存在します。そのため、とる目的語の格が決まっている動詞を使うときは、目的語にはその動詞に合う格をあててあげる必要があります。こういった動詞は、本によってはPartitiivi verbiとして紹介されていたりもします。

ここですべてを紹介することはできませんが、いくつか例を挙げてみましょう。

 Tykätä +mistä:Minä tykkään suklaasta. 私はチョコレートが好きです。

 Auttaa +mitä:Hän auttaa minua. 彼はを助ける。

 Nauttia +mistä:He nauttivat ruoasta. 彼らは食事を楽しんでいる。

 Odottaa +mitä:Sinä odotat opettajaa. あなたは先生を待っている。

 次いで②で否定文について説明しますが、この仕組みは否定文のルールより優先されます。Partitiivi(mitä)はいい例にならないので、Elatiivi(mistä)の文章で見てみましょう。

 肯定文:Minä tykkään suklaasta. 私はチョコレートが好きです。

 否定文:Minä en tykkää suklaasta. 私はチョコレートが好きではありません。

 否定文になっても+mistäのままですね。


・特定の文法においては、目的語の形が決まっているものがあります。各文法の詳細についてはここでは触れませんが、目的語のところだけ見ていきましょう。

 1) 命令形:目的語はAkkusatiiviのうち、単数のNominatiiviの形をとる

  Osta kirja! (あなたは)本を買いなさい!

  Ostakaa kirja! (あなたたちは)本を買いなさい!


 2) 義務の表現(täytyyなど)で目的語が可算名詞&目的語にPartitiiviを取る動詞でない&肯定文の場合*:目的語はAkkusatiiviのうち、単数のNominatiiviの形をとる

  Sinun täytyy ostaa kirja. あなたは本を買わないといけない

  Heidän täytyy ostaa kirja. 彼らは本を買わないといけない

  *目的語が不可算名詞・目的語にPartitiiviを取る動詞・否定文の場合は、目的語は単数Paritiiviです。

   ・不可算名詞:Sinun täytyy juoda vettä.

   ・目的語にPartitiiviを取る動詞:Sinun täytyy auttaa häntä.

   ・否定文:Sinun ei tarvitse ostaa kirjaa.

    (täytyäの否定形=ei täydyなのですが、よく使われる表現:ei tarvitseで紹介しました)


 3) Passiivi:Akkusatiiviのうち、n-objektiを使う文章をPassiiviの形にする場合、目的語はAkkusatiiviのうち、単数のNominatiiviの形に変わります(Passiivi文章では目的語にn-objektiの形をとりません)

  Me ostetaan kirja.(近い表現:Me ostamme kirjan.) 私たちは本を買う

  Kirja ostetaan.(近い?表現:Joku osta kirjan.) 本は(誰かに)買われる(=誰かが本を買う に近いニュアンスです)


②文章が肯定文・否定文のどちらであるか

 ①の例外を除き、基本的に否定文の目的語はすべて、単数も複数もPartitiiviとなります。肯定文と否定文の目的語を見比べてみましょう。

 ・Minä ostan kirjan. ⇔ Minä ei osta kirjaa. 私は本を買う/買わない

  → 肯定文ではAkkusatiiviのn-objektiですが、否定文では単数Partitiiviを使います

 ・Sinä teet kotitehtävät. ⇔ Sinä et tee kotitehtäviä. あなたは宿題をする/しない

  → 肯定文ではAkkusatiiviの複数Nominatiiviですが、否定文では複数Partitiiviを使います。なお、宿題は大概2つ以上あるので、kotitehtäväはほとんど複数形(kotitehtävät)で使う単語です。

 ・Hän syö kaksi suklaata. ⇔ Hän ei syö kahta suklaata. 彼/彼女はチョコレートを2つ食べる/食べない

  → 肯定文では数字Nominatiivi+単数Partitiiviです(詳細は④にて)が、否定文では数字Partitiivi+単数Partitiiviを使います

 ・Meillä on silmälasit. ⇔ Meillä ei ole silmälaseja. 私たちは眼鏡を持っている/持っていない

  → 肯定文ではAkkusatiiviの複数Nominatiiviですが、否定文では複数Partitiiviを使います。なお、メガネは2つのグラスが付いているので、silmälasiはいつも複数形(silmälasit)で使う単語です。

 ・Te juotte vettä. ⇔ Te ette juo vettä. あなたたちは水を飲む/飲まない

  → 目的語が不可算名詞のため、肯定文も否定文も単数Partitiiviです(詳細は③にて)。

 ・He vievät minut elokuviin. ⇔ He eivät vie minua elokuviin. 彼らは私を映画に連れて行ってくれる/連れて行ってくれない 

  → 人が目的語の形も(詳細は⑥にて)、否定文ではPartitiiviになります。


今日はここまでにしましょう…思ったより長くなってしまいました。

次回は③、④のルールについて紹介したいと思います。


それでは、Nähdään!

2021年7月1日木曜日

Tarinani- miten ja missä olen oppinut suomea; 私のフィンランド語学習について(随時更新)

Moi!

ここしばらくバタバタしていてブログを書く時間が取れず、Pitkästä aikaa! :お久しぶりです! になってしまいました…。

バタバタしていたのもフィンランド語要因ではあるのですが、それはさておき、今回はすこし余談として私の学習経歴と、各段階での学習方法について書いてみようと思います。


まずは今までの流れです。こう書いてみると、すごくスロースターターですね…。

0.8年前~6年前まで:独学やってみようかな期

1.6年前~昨年まで:ゆるゆる学習期

2.昨年~今まで:まあまあ真面目に学習期


0.8年前~6年前まで:独学やってみようかな期

 フィンランド語勉強してみたいな…と思ってテキスト買ってみたものの、なんだろ?どうすれば?となって本買って少し読んで終わった、いわゆる何もしてなかった期です。当時は田舎住まいで近くに教室もなく、オンライン学習もなかったんですよね。懐かしい。


1.6年前~昨年まで:ゆるゆる学習期

 転職・転居で教室に通い始めることができたことをきっかけにフィンランド語学習の旅?が始まりました。本当はグループレッスンに通いたかったのですが都合が合わず…この期間は次のように過ごしていました。

  • プライベートレッスン(1対1):2時間/回・月1~2回
  • テキスト:Suomen mestari(以下、SM)が基本、時々Oma suomiから補足で練習問題をもらう
  • 宿題:練習問題を3~4つ・教科書の進捗ではSM内のテキストを読んでくるなど。当日習った文法についての宿題をもらうというものが多かったです。
  • 先生:全員ネイティブ(日本語レベルはそれぞれ)。先生の帰国・就職・留学により、新しい先生に変わるということが起こり、期間内で5人の先生に教わることができました。個人的には言語は生き物だと持っているので、日本語のセンスのいいネイティブの方から学ぶことができると、意味の細かいニュアンスや使い分けが理解しやすくよいと感じました。
  • 授業の進め方:先生によりますが、大枠が宿題答え合わせ→文法説明・質問またはテキストを読む・その場で訳して認識合わせで、あっという間に終わってしまいます。ある程度進んでくると、初めに会話をしてから本題の授業に入るという流れになっていました。また、先生によってはゲーム(生き物の絵が描いたカードを引いて、どんなものか説明して当てあう等)をしてもらったり進め方・教え方にも個性があって面白かったです。
  • 復習:学んだ文法の見直し・練習問題を解く、と宿題が主でした。ある程度進んできた段階で、文法をすぐ見直せるようにまとめノートを作り始めたので、進捗に合わせてノートを書き足す復習もしていました。
  • 予習:テキストを読む・単語を調べるという宿題がでたとき以外は、ほとんど行っていません。
  • ほか:5年目くらいからSNSでフィンランド語の投稿を読んだり、レシピ検索・読んでみたり…。

 実際はレッスン当日の朝にわーっと宿題をする・時間がとれたらまとめのノートを作る、だったのでレッスン以外に時間を均すと、週に2時間程度しか勉強していなかった…ので、ゆるゆると趣味でやっていたような状態ですね。


2.昨年~今まで:まあまあ真面目に学習期

 ゆるゆる勉強を続けながら、フィンランド旅行でも活用して…と続けていましたが、このコロナ禍でそれが叶わなくなってしまったときに、ふと思いついたことがきっかけで、2つの学校に通いました。

 フィンランドもワクチン接種が進み、大学などは対面に戻りつつあります。今見たところでは、このようなコースはまだオンラインが継続するようなので、今からでも参加可能と思い、興味のある方に役立てていただきたく、この部分については少し詳しく書きます(今回この内容を記録することにしたのも、ここが主です)。

 (1) Turun kesäyliopisto:20年7月~8月

  • コース:Continuation Course in Finnish 3 - Suomen jatkokurssi 3 (A2.1)
  • 授業範囲:Suomen mestari 2-7~8+先生からの補助資料
  • 授業時間:2時間/回(途中に5分休憩)・週に2回(日本時間:23時~)
  • 参加費用:95ユーロ、ただし支払いは銀行振込(海外送金なので要手数料)のみ
  • 申し込み方法:参加したいのですが日本からでも問題ありませんか、と問い合わせのメールを送り、了承を得たうえで、HP上から参加申し込みをしました。ID作成において申請や処理は必要なく、IDの期限もありません。海外送金が一番のネックでした…。
  • 送金の確認や処理が進むと、MoodleのIDが発行されます。宿題やノートはMoodle上で記録されるので非常に便利でした。授業はZoomで行われ、休憩時間以外はビデオONが基本ルールです。単位を得たい場合は最低80%以上の出席が必要です。
  • 授業はすべてフィンランド語です。クラスメートとグループを組み会話する場面も多いですが、その際も英語は使わないルールでした。時々、英語で質問している人もいましたが、その場合は優しいフィンランド語で説明してもらえるような配慮がありました。
  • 授業は文法の説明、問題を解く、グループで話す練習~一緒に問題を解くなどが主でした。習っている文法が入った歌をYoutubeでかけてもらったり、全員いる画面上で先生と話す(週末何をしたか?など)など、割と和気あいあいとした雰囲気に加えて、グループで話すときも、問題が終わったらいろいろ雑談して楽しかったことを覚えています。ですが授業中に当てられるので、個人的には緊張感がありました。間違っていけないことはないのですが、名指しで当てられて答えるのが苦手な人はつらいかもしれません。
  • 受講者は30名ほど、ですが残念なことに最後は20名程度まで減っていました。移住後にフィンランド語を学んでいる・留学中という人が多かったです。国外からの参加は私のみだったため、いろんな人に興味を持ってもらえ、すぐに覚えてもらえたのはラッキーでした。他に日本人の方が2人がいて少し心強かったですが、もちろん日本語で話すことはなかったです。
  • 毎回宿題としてSMからの練習問題か、先生から問題の提示があります。1度、簡単な文章提出の宿題もありました。授業で宿題の答え合わせを行うときもあり、宿題をやらないと次回の流れに乗れないので、宿題をするのはマストです。なお、この時はSMを見直すなど、授業前に軽い予習をするようにしていました。
  • 最後にはテストがあります。内容を見直すと、口語の文章作成・文法問題(正しい格にする等)・単語をフィンランド語で説明・文章を作るといった問題構成でした。テストは2.5時間、ノートと辞書の使用は可能です(使わないほうがおすすめ、とありましたが頼ってしまいました…)。テスト結果+出席率+出席時の姿勢?などで単位可否が決まるようです。
  • すでにレッスンで習っている箇所なのでどんなものかな、と思いながら受講しましたが、非常に有意義でした。聞く/話す練習ができたことに加え、本コースの単元だけでなく、それ以外の基礎文法への理解+何がわかっていなかったか理解できたことがよい発見でした。またフィンランド語でフィンランド語を学ぶということの効率の良さを実感しました。グループレッスンって仲間がいていいな…と率直に思ったこともあります。ですが終了時刻が遅く、レッスン後は頭が冴えてなかなか寝付けないため、翌日が在宅勤務になるよう調整して参加したものの、体力的にはなかなかきつかったです。

 (2) Helsingin Avoin Yliopisto:20年10月~現在
  • コース:Suomi vieraana kielenä- Suomi 4 (20/10-21/2:A2.2)、Suomi 5 (21/3-6:B1.1)、Suomi 6 (21/9-22/2:B1.2)
  • 授業範囲:Suomi 4=SM3-3~8、Suomi 5=SM4-1~4 、Suomi 6=SM4-5~8+先生からの補助資料
  • 授業時間:1.5時間/回・週に2回(日本時間:21時半~または20時半~/サマータイムにより変動)、Suomi 6は23時~/0時~とハードでした…。
  • 参加費用:75ユーロ、初回支払いは銀行振込(海外送金)、IDありの2回目からはクレジットカード決済可
  • 申し込み方法:こちらも参加したいのですが、の問い合わせから始めました。そこからコース申し込み開始時刻に合わせて面談予約・申し込み面談(Zoom)、ID作成の申請書提出、本人確認のための面談(録画ありZoom・要パスポート)、送金確認…とかなり手間な手続きでした。クラスの定員が埋まるのも早いため、もし参加したい方は遅くともコース申し込み開始の2週間ほど前くらいから動き始めたほうがよいです。なお、フィンランドの銀行口座があれば本人確認は省略されるようです。
  • こちらもMoodleとZoomを活用しての授業です。IDは期限付きですが、期限内にコースを申し込み続けると自動更新されます。(1)ではトゥルク大学とのかかわりは感じなかったですが、こちらではヘルシンキ大学のシステムと共有の部分が多く、大学のメールアドレスが付与され、基本はそのメール上で先生と課題の提出等のやりとりを行います。
  • クラスの人数は同じく30名ほど→終盤は同じように20名くらいまで減るところも同じでした。移住して5年程度経っている、すでにフィンランド内で働いている人が主なようですが、私のように趣味で学習・海外から参加という人も1~2人ほどいて励みになりました。
  • 授業の形式は(1)と同、フィンランド語のみ使用のルールも変わらずですが、レベルが上がると和気あいあい感が少しずつ減って、かなり真面目なムードです。そしてこちらではさらにビシバシ当てられます。グループでやるワークもより難しく、時間がタイトになっていき、結構ハードでした…クラスメートのレベルはまちまちですが、通わなくていいのではと思うほどの人もいて、グループワーク内で教えあうことも非常に勉強になりました。
  • 途中まではすでに学んだ文法の部分なので、内容も理解しやすく文法を覚えなおす・追加で学ぶという状況でした。最後はこちらの進捗が早く新しく学ぶ状態にもなってきて、かつ内容が難しい…とあり、宿題・予習はかなり真面目にやりました。もちろん宿題もしっかり出ます。SM以外からの課題も多く、Suomi 5ではエッセイ(100-500文字)×3本の課題もありました。Suomi 6は文法最後のクラスなので全体の振り返り込みでしたね。
  • こちらでもテストがあり、Zoomビデオ・マイクありの中での解答が必要です。Suomi 5のテストは急遽先生の都合でZoomなしになったので、正直ちょっとほっとしました。4では紙に回答を書いて写真を送付するという仕組みでしたが、5からMoodle上で答えるシステムに変わっています→その後、6は実地試験/Web試験の選択式になったため、4の方式に戻りました。4:文章にこたえる問題・文法(格変化など)・単語をフィンランド語で説明・短文をつくる問題でした。5:正しい回答を選ぶ問題・単語をフィンランド語で説明・テーマを選び100文字程度のエッセイを書く、6:すべて文法問題(誤っている部分を書き直す、文章からある文法の言葉を引用して書き換えるといった問題構成でした。
  • 基本的に、コースのレベルを上げるには、0-5のうち、3以上の評定が必要とあります。もらっていないから申し込みが消されるということもなさそうなので、レベル感としてそれくらいはできていてね、ということなのでしょう。

この期間は、(1)~(2)のオンラインコースと並行して、プライベートレッスンも頻度を変えずに受けていましたので(20/5月から教室縮小で卒業→その後は同じ先生と継続して個人レッスンへ移行)、コースのない時はちょっとゆるんで週3~4時間程度、オンラインコースがあるときは毎日1~2時間程度勉強をしていました。正直に書くと、フルタイムで働きながらのオンラインコース参加はハードです。自分で仕事をコントールできるので在宅の予定含めてスケジュールが調整できた・家人の理解があり協力を得られた点は非常にありがたかったです(それでも1回職場から参加せざるを得ない事態に陥ってしまいましたが…上司にも感謝です)。

勉強の仕方はこれまでと変わらず、宿題を解く・まとめのノートを発展+さらにそのまとめも作って理解度向上+予習として次回やりそうな箇所やSMの練習問題の先取りもしていました。それでも不十分だと痛感することも多々ありましたが…。初めに書きましたように、ばたばたしていたのはエッセイの課題と勉強に追われてが主な原因で、先週テストが終わってひと段落ついたところです。

まだオンラインコースを続けるつもりなので、同じスタイルでもうしばらく続けていこうと考えています。次のSuomi 6の単元は完全に未勉強の箇所のため、コース前の今の期間に一通り自分で学習したのちに参加できるように準備をすすめようとしているところです。


2つのコースに通ってみて、どちらがいいかといわれると、継続して真面目に取り組みたい方にはHelsingin Avoin Yliopistoがおすすめです。

理由は、入門からB2.2レベルまで連続してコース(Suomi 1A~6)があること、あと(1)より高いレベルのクラスがあること、そして授業料が安いことです。あくまでも2つの比較なので、これらはベストというより、ベターと感じる点ですね。

ですが、ある程度分かるようになって思ったことは”フィンランド語でフィンランド語を学ぶことそのものに非常に価値がある"ということです。過去のプライベートレッスンの先生に、「そろそろフィンランド語をフィンランド語として理解するように(=日本語で考えないように)」というアドバイスをいただき、その時はよく理解できていなかったのですが、こういうことかなという感覚を得たことは有意義でした。となると、どこのコースに通うかより、フィンランド語のみを使う時間を増やすこと・確実に通える/通いたいコース(頻度・時間・課題のできる余裕も考慮して…、深夜受講はつらいです)を選ぶことが最も重要であるように思います。また、個人でレッスンされている方は、授業中は日本語を使わないルールに変更するだけでも有意義であるように思います。


これまで長々と書いてきましたが、要約するとこんなところでしょうか。

◎やってよかったこと

・ネイティブの先生から学ぶこと+オンラインコースでフィンランド語に触れる時間と機会を増やしたこと。日本にいて、フィンランド語にどっぷり漬かれる機会ってなかなかないのでありがたいです。

・すでにされている方が多いと思いますが、文法のまとめノート作成は非常に役立ちます。自分で文法について考えながら作ることで理解も深まりますし、形になっていくのでちょっとした自信も生まれます。不安になったときは見返せるので、心の支えにもなるような気もします。

・SMを主な教科書としてきたこと。オンライン授業もSMを使っているところが多いので単純によかったということもありますが、すべてフィンランド語で書かれている教科書というところもよいです。日本語でかかれたフィンランド語情報は少ないですが、フィンランド語で書かれたフィンランド語情報はいっぱいあるので、文法名のフィンランド語表記を知っている=情報へアクセスするハードルが下がるためです。逆に日本語でかかれた情報は理解しにくい=日本語で書かれた教科書は活用できていませんが…。

・最近はフィンランドにも行けないですが、ゆるゆるでも勉強を続けてきてよかったと心から思うことが多いです。英語が十分通じる国ではありますが、フィンランド語の方が情報量は圧倒的に多く、助けられることもしばしばです。


◎もっとやっておけばよかった、今後重点的にやりたいこと

・単語力が絶望的に弱いです。アウトプットとして使わないから新しい言葉、語彙を必要としない=定着しない・増えないと反省…単語帳も作りたいなと思うものの…頑張ります。

・上記に近いですが、もっと初期からアウトプットの練習をしておけば伸びが早かっただろうな、と思うことが多いです。エッセイの作成・添削依頼は、文法・単語のニュアンスなど自分の理解が乏しい箇所が洗い出せるので、個人レッスンで続けていく予定です。

・将来いつかはフィンランドでもレッスンを受けてみたいという願望が強まりました。


最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

次回からは文法の話に戻ります!

重い腰を上げて?目的語:Objektiについて書いてみたいと思います。


では、Nähdään!

2021年6月3日木曜日

動詞タイプ6:Verbityyppi 6

Moikka!


動詞タイプの紹介も最後までやってきました。

今回はverbittyyppi 6:preesens muoto、最後の1つです。


・Verbityyppi 6:基本形の語尾= e + -ta/tä 

 → vartalo:語尾の-ta/tä”→”-ne”に変えたもの


例1:kylmetä(冷たくなる) 

  → vartalo: kylmene-

 Minä:kylmenen  

 Sinä:kylmenet

 Hän: kylmenee

 Me: kylmenemme

 Te: kylmenette

 He: kylmenevät


例2:vaieta(黙る・話すのをやめる)

  → vartalo: vaikene-

 Minä:vaikenen  

 Sinä:vaikenet

 Hän: vaikenee 

 Me: vaikenemme

 Te: vaikenette

 He: vaikenevat


1.他の動詞タイプでも共通する点 

重ね重ねになりますが、これまでと同じ内容です。詳細はverbityyppi 1、2の投稿をご確認ください。

このタイプは、verbityyppi 3、5と同様に、vartaloを作る際に語尾-ta/tä:a/ä”→”-ne:e"に変わるため、自動的にvartaloの語尾は"e"となる=Hänの語尾はすべて"ee"となります。


2.verbityyppi 6の特徴

例2:vaietaのように、nomminatiiviがkpt-vaihteluのheikkoの形になっているものがkäänteinen kpt-vaihtelu(逆kpt-vaihtelu)になります。

verbityyppi 3、4の特徴と同じですね。

さて、この"vaieta"のどこにkpt-vaihteluの文字があるか、見つけられましたか?

ここでは、"vaieta"の"i-e"に、kk - k - "-"(消える) の"-"が隠れていて、こちらがvahvaの"k"となり、vartalo: vaikene- と変化していきます。

見えないものが隠れているということになるので、とほほ…また覚えるのか…となりそうですが、傾向としては、今回の"vaieta"のように、3つの母音が連続している単語は怪しそうだな、と思っています。覚えることには変わりないのですが…。


Verbityyppi 6が面白いなと思うのは、"kylmetä:冷たくなる"、"vanheta:古くなる、年を取る"のように、「~になる」というニュアンスの動詞が多いことですね。

加えて、個人的にはこのタイプの動詞をあんまり使っていなかったな…と思いました。今回をきっかけに、もっと使うようにしてみたいと思います。


今回も最後にこのタイプの動詞を使った文章の例で終わりにしましょう。あんまり使っていない動詞たちなので、文章を考えるのに少し悩んでしまいました。

・Vangit pakenevat vankilasta. (nominatiivi: paeta)

 (囚人たちは刑務所から逃げる

・Minun työmatka pitenee, koska juna pysähtyy onnettomuuden takia. (nominatiivi: pidetä)

 (電車が事故によって止まっているので、私の通勤時間は長くなる)


次回は小休止として、私の勉強方法と学習履歴について書いてみようと思います。


それでは、Nähdään!

2021年6月1日火曜日

動詞タイプ5:Verbityyppi 5

Heippa!


引き続き、動詞タイプの紹介です。

今回はverbittyyppi 5:preesens muoto、やっと残り2つまでやってきました。


・Verbityyppi 5:基本形の語尾= i + -ta/tä

 → vartalo:語尾の-ta/tä”→”-tse”に変えたもの


 例:tarvita(必要とする)

  → vartalo: tarvitse- 

 Minä:tarvitsen 

 Sinä:tarvitset

 Hän: tarvitsee 

 Me: tarvitsemme 

 Te: tarvitsette  

 He: tarvitsevat


1.他の動詞タイプでも共通する点 

こちらもこれまでと同じ内容ですので、詳細はverbityyppi 1、2の投稿をご確認ください。

このタイプは、verbityyppi 3と同様に、vartaloを作る際に語尾-ta/tä:a/ä”→”-tse:e"に変わることから、自動的にvartaloの語尾は"e"となるため、Hänの語尾はすべて"ee"となります。


2.verbityyppi 5の特徴

verbityyppi 5はkpt-vaihteluがありません!ので説明はこれまで、例も1つだけにしました。


ちょっと短く書き終わりそうなので、せっかくのスペースを使って、動詞のkpt-vaihteluをおさらいしましょう。先取りになりますが6についても書いておきます。


基本的にKpt-vaihteluあり=verbityyppi 1、3、4、6

 → verbityyppi 1:Hän、Heのみvahva・他はheikkoとなる

   verbityyppi 3、4、6:nominatiiviがheikkoのとき、すべてvahvaとなる

 *verbityyppi 3、4はkpt-vaihteluにならない例外がある

  → 3:kävellä、kokeilla・4:siivota、avata


基本的にKpt-vaihteluなし=verbityyppi 2、5

 *ただし、verbityyppi 2はvarraloのつくりから例外の動詞がある

  → tehdä・nähdä=vartalo:tee-・näe-:Hän、Heのみvahva・他はheikkoになる

 

今回も最後にこのタイプの動詞を使った文章の例で終わりにします。

Tarvitsetko apua? (nominatiivi: tarvita)

 (助けが必要ですか?)

・Älä häiritse minua! (nominatiivi: häiritä)

 (私の邪魔をしないで!)


さて、いよいよ次回はverbityyppi 6、次で動詞の基本の紹介は終わりです。

今は、その次に何を書こうかな~と少し悩んでいるところです。少しずつ文章を書くことができるような流れで説明をしていきたいですね。


では、Hei hei!


2021年5月31日月曜日

動詞タイプ4:verbityyppi 4

 Moikka!


引き続き、動詞タイプの紹介です。

今回はverbittyyppi 4:preesens muoto、ここで折り返しに入りますね。


・Verbityyppi 4:基本形の語尾= 母音:vokaali*+ -ta/tä (*i,eを除く)

 → vartalo:語尾の-ta/tä”→”a/ä”に変えたもの


 例1:siivota(掃除する)

  → vartalo: siivoa- 

 Minä:siivoan 

 Sinä:siivoat

 Hän: siivoaa 

 Me: siivoamme 

 Te: siivoatte  

 He: siivoavat


例2:luvata(約束する)

  → vartalo: lupaa-

 Minä:lupaan   

 Sinä:lupaat

 Hän: lupaa  

 Me: lupaamme

 Te: lupaatte

 He: lupaavat


1.他の動詞タイプでも共通する点 

こちらも前回までと内容は同じですので、詳細はverbityyppi 1、2の投稿をご確認ください。

今回、siivota→vartalo: siivoa-の"oa"は二重母音ではないため、Hänのpersoonamuotoは、"Hän siivoaa"と"a"が伸びる形になっています。

一方、luvata→vartalo: lupaa-はすでに"aa"の長母音であるため、Hänのpersoonamuotoはこれ以上母音が伸びず、vartaloそのままの形になっていますね。


2.verbityyppi 4の特徴

例2:luvataのように、nomminatiiviがkpt-vaihteluのheikkoの形になっているもの…これはverbityyppi 3の特徴と同じように、次のルールが追加で適用されます。

nominatiivi:kpt-veihteluのheikkoである場合vartalo含むすべてがvahvaの形になります:käänteinen kpt-vaihtelu(逆kpt-vaihtelu)ですね。

例のluvataであれば、kpt-vaihteluが”pp - p - v"とあり、"v"がもっともheikkoの形ですので、1つ上の強い"p"に置き換わり、vartalo: lupaa- となります。

ここで、siivotaも"v"があるのでkpt-vaihteluが適用されるのでは?と気づかれた方、素晴らしいです!

verbityyppi 4でkpt-vaihteluが適用されない例外があり、それが今回の例の"siivota"と、"avata(開ける)"です。

例外…ときくとちょっとうんざりしてしまいそうですが、やはり例外をおさえておく…のが一番いいのかなと思います。


さて、今回の内容がわかるようになると、たとえば次のような文章の動詞を作る・理解することができます。下線の部分が動詞です。

Haluatko sinä mennä ostoksille? (nominatiivi: haluta) 

 (あなたは買い物に行きたい?)

・Minä pelkään pimeää. (nominatiivi: pelätä)

 (私は暗闇が怖い)


次回は動詞タイプ5ですね。ようやく終わりが見えてきました~。


それでは、Nähdään!